2007-03-17-Sat 「日向 あくがれ」東郷町 富乃露酒造店焼酎が日本を席巻して久しいですね。「東国原知事もブームはいつか去る」と口癖のように言っておられますが、焼酎はといえばすっかりみんなのレパートリーに入り込んだ模様。
初めて上京した17年前には考えられなかったことです。(本当に肩身が狭かった…)宮崎県民でよかった!
ただワインを扱う私にとって気になっていたのは、日本酒や焼酎に「原産地呼称」的概念が薄いこと。
昔から望まれて世に出た酒なのだから、厳密にこだわらなくてもいいじゃないかとも思うのですが、やはりピュアにその土地で生まれた材料の数々を使ってそこに誇りをまぶして欲しいもの。
その気持ちを代弁してくれるかのごとく、熱い人が熱い酒を醸しています。
高妻淑三、僕と同じ35歳。名のある蔵で頭角を現し、同業からも「高妻さんが造るならそれは凄い事になるよ」といわれる御仁。
時を同じくして酒造にロマンを感じて蔵を興そうと東奔西走した黒木社長も凄腕の杜氏を探していました。
そんな二つの稲妻がいっぺんに落ちた地が「東郷町」。
そう「東郷町」はあの牧水の故郷。牧水=東郷、牧水=酒!牧水の歌で「けうもまた こころの鐘を打ち鳴らし 打ち鳴らしつつ
あくがれていく」
あくがれ、つまり魂が今居るところを何かに心誘われ去っていくこと。つまり何かに心こがれる思いなのだそうです。
滑らかな地元耳川の伏流水をもとに地元の黄金千貫(いも)、宮崎酵母を使用。高妻氏のセンスによって導かれた地元の素材は美酒になり、ワインでいう「テロワール〜風土〜」を見事に表現しています。
胸のあたりにじわっとくる旨み、牧水の「在処離れていく」こころを感ずにはいられません。
ホットでいただくなら当店メニュー「アイスバイン」がお似合い。その時は話の積もった旧友と一緒に…